医学生の勉強日記

医師国家試験勉強で得た知識のまとめです。たまに研修医レベルのまとめもする予定です。

体質性黄疸のまとめ

・直接ビリルビンor間接ビリルビン優位の二つに分けられる。

①直接型

Dubin-Johnson症候群、Rotor症候群

DiRectと覚える

これらはまれで、治療の必要もなく、名前だけ覚えておけば良いだろう。

(成人が検診で異常を指摘されて見つかるパターン?)

②間接型

Gilbert症候群(軽症)、Crigler-Najjar症候群(重症)

Gilbert症候群の患者は全人口の2~7%とcommonであり、かつ治療の必要もない。

低カロリー食試験でBil値2倍以上↑

 

一方Crigler-Najjar症候群は極めてまれであるが、治療の必要がある重症型である。

そのため(?)他の症候群と異なり、乳児や小児で症状が出現する。

 

・Crigler-Najjar症候群の治療

グルクロン酸抱合酵素活性が完全に欠損しているものがI型、多少なりともあるものがⅡ型。

Ⅱ型の予後は比較的良好であるが、Ⅰ型は無治療だと核黄疸で2~3年で死亡。

従ってI型では肝移植も考慮される。

Ⅰ、Ⅱ型共通の治療としては光線療法、血漿交換

 

※光線療法とは?

核黄疸を引き起こす間接ビリルビン(脂溶性)を無害の異性体にする治療。(直接ではない)

(脳は脂肪が多いため沈着?)

113D12に関連する問が出題されている。

 

・国試 過去問

110I9

新生児、乳児期に高間接ビリルビン血症をきたす疾患はどれか?

a.クレチン症

b.新生児肝炎

c.Rotor症候群

d.先天性胆道拡張症

e.Dubin-Johnson症候群

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解:a(正答率58%)

語呂DiRectよりc,eは除外でき、dは胆汁排泄障害より直接型の上昇。

bは肝炎であるから直接ビリルビンの肝細胞からの排泄障害となり、直接型。

(肝炎だと一般的にグルクロン酸抱合はできる。直ビの排泄ができない)

従って消去法でa。

機序は難しいので省略 気になる人はQB見てください

 

クレチン症は先天性の甲状腺機能低下症で、遷延性黄疸が有名。

新生児マススクリーニングの対象疾患である。