医学生の勉強日記

医師国家試験勉強で得た知識のまとめです。たまに研修医レベルのまとめもする予定です。

春メック 結果

春メックが返却された。

個人的にはそこそこ満足な結果だと思う。このままのペースで勉強していって合格したい。

課題としては、必修の点数の低さ。臨床が低いことから、医師としての基本が暗記できていないということなので、これから復習していきたい。
また、各論の点数も低めだった。病態、治療の細かい部分を詰められていないということだろう。
分野別で言うと、内科、産婦、小児が比較的高く、マイナー、救急が低かった。後者は単にほぼ勉強していないためと思われる。夏までには一通りやりたい。
産婦小児に関しては割とたまたまな部分が大きいと思う。出る割合も大きいのでそこも復習したい。 

全体としては、概観は掴めているが、細かいところまでは手が回っていない、そんなところだろうか。
課題だらけになってしまったが、それだけ詰めが甘いということだろう。

Qアシを見るだけだと細かいところまではなかなか覚えられない。
QBを解くことも必要だろう。繰り返すしかないと思う。

外傷 初期診療の流れまとめ

・primary survey(ABC・バイタルの安定化)→secondary surveyという流れは変わらない。

 

Ⅰprimary survey

①第一印象の把握

救急車から初療室までの間の簡単な評価。(緊急度の確認)

A,B:呼吸状態確認、SpO2の確認

C:皮膚所見、脈拍、活動性外出血、血圧、FAST、胸部・骨盤X線施行

D:意識レベル,瞳孔不同・片麻痺の有無

E:体温の確認

 

②A:気道確保と頸椎保護の評価

③B:呼吸と致命的な胸部外傷の処置

(フレイルチェスト、開放性,緊張性気胸)

④C:循環評価と止血処置

(心タンポ、大量血胸、骨盤骨折等)

⑤D:中枢神経障害の評価

⑥E:脱衣と体温管理

 

Ⅱsecondary survey

...ABCの安定下で解剖学的評価を用いた損傷部位の検索

このとき、primary surveyで切迫するDと判断した場合は、最初に頭部CT撮影

切迫するDの定義

・GCS 8以下

・GCS合計2以上の低下

瞳孔不同,片麻痺,Cushing現象(高血圧・徐脈)などの脳ヘルニア徴候を認める場合

切迫するDなければ、病歴の聴取

AMPLEに沿って行う。

Allergy(アレルギー歴)

Medication(内服中の薬)

Past history&Pregnancy(既往歴、妊娠の有無)

Last meal(最終食事)

Event&Environment(受傷機転、現場の状況)

その後身体診察などを行う。

 

国試過去問

114A74

34歳の男性.心窩部痛を主訴に来院した.本日,オートバイ運転中に併走する乗用車と接触し転倒した.意識障害はなく,四肢の擦過傷と右膝関節の打撲以外に大きな外傷はなかった.転倒3時間後に心窩部痛を自覚し,徐々に増強するため妻に付き添われて受診した.意識は清明.体温37.2℃.脈拍104/分,整.血圧96/58mmHg.呼吸数16/分.SpO2 97%(room air).眼瞼結膜はやや貧血様だが眼球結膜に異常を認めない.心音と呼吸音とに異常を認めない.腹部は軽度膨隆し,腸雑音の減弱を認める.心窩部から右季肋下にかけての圧痛を認める.神経診察で異常を認めない.血液所見:赤血球327万,Hb 10.6g/dL,Ht 34%,白血球11,200,血小板16万.血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL,アルブミン3.7g/dL,総ビリルビン0.9mg/dL,AST 142U/L,ALT 78U/L,LD 358U/L(基準120〜245),γ-GT 57U/L(基準8〜50),アミラーゼ154U/L(基準37〜160),尿素窒素18mg/dL,クレアチニン0.8mg/dL,血糖97mg/dL,Na 140mEq/L,K 4.3mEq/L,Cl 100mEq/L.CRP 1.0mg/dL.


現時点で行うべき検査として適切なのはどれか.3つ選べ

a.胸部X線撮影

b.上部消化管造影検査

c.腹部超音波検査

d.腹部造影CT

e.下肢MRI

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解:acd

聞いたことある感じの検査を選べば解ける。

所見からショックを疑う。(脈拍/収縮期血圧(SI)>1より)

RBC327万、Hb 10.6g/dl、Plt16万と低めより出血?

心窩部痛、圧痛、腹部の軽度膨隆より腹腔内出血?

これと高エネルギー外傷疑いとの病歴を合わせると出血性ショックが考えられる。

a,c...外傷初期診療ではまずX線撮影、FASTを行う。ちなみにX線は骨盤も撮る。

d...腹腔内臓器損傷疑いより行う。

b...CTの方が情報量が多い。

e...下肢のMRIを今行う必要性はない

 

救急 初期診療まとめ

primary survey(バイタルの安定化)→secondary surveyの順。

・primary survey

いわゆるABCDEアプローチ

酸素欠乏がもっとも緊急の病態のため、ABCの正常を先に確認してからDEを行う。

Aの治療...気管確保

Bの治療...酸素投与、人工呼吸管理

Cの治療...静脈路確保など

 

気管確保の方法...用手的or器具を用いるか

用手的...頭部後屈顎先挙上法(頸椎損傷が疑われる場合には基本的に禁忌)

器具を用いる方法...気管挿管or外科的気道確保

 

静脈路確保...肘正中静脈を選択。(採血するとこ)

→それでもだめなら中心静脈路(内頸or鎖骨下or大腿)

静脈路確保が困難なときは骨髄内に投与するらしい(!)

なお最終手段として気管内投与を行う。

※気管内投与できる薬剤

リドカイン・アドレナリン・アトロピン・ナロキソン・バソプレシン

 

参考文献:イヤーノート

 

 

手技 まとめ

先日、MECの渡先生のツイートでこんなものを見つけた。

 

手技って案外出るし、必修だし、見たら忘れないしで、動画講義ではないけど結構重要そう....

自分の場合は例に漏れず見忘れてしまったので、以下にまとめてみる。

(まあ文章で言われても...って感じだろうし動画とか手技みえvol2とかで見てください)

 

・末梢静脈路確保

目的としては、要するに点滴。

大まかには外筒というのを静脈に突っ込んで点滴とつなげばおk

ここで、外筒はただの筒なので、針で最初にそれごと刺さないといけない。

以下詳細

最初に輸液バッグ、点滴セット、三方活栓、チューブなどの諸々を用意し、

駆血帯を巻き、拳を握ってもらう(静脈なので)

消毒し、皮膚を引っ張って血管固定

穿刺して、内筒の逆血を確認し

針を寝かせてさらに数mmほど進め、外筒を完全に血管内に入れる

内筒を少し引っ張り出して外筒の逆血を確認して

外筒を根元まで進める

これでとりあえず完了なので

駆血帯を外し、外筒が抜けないように押さえつつ内筒抜去

その後にお待ちかね点滴接続。

あとは滴下確認と固定 

 

その流れでCVも

こちらは清潔操作が必要なのでめんどくさいし、感染もこわい(研修医にはやらせないところもあるらしい)

こちらは要するにカテーテル(長い筒)を上大静脈に入れることが目的。

カテーテルはガイドワイヤーに沿って入れる。ガイドワイヤーは外筒を入れた後に入れれば良い。

なので、穿刺→内筒抜く→外筒入れる→ガイドワイヤー入れる→カテーテル入れる

という順番になる。

ガイドワイヤー、カテーテルを用いるためヘパリン生食で満たしておく。(血栓予防)

清潔に着替え、機材を取り出す

適切な体位をとらせる(首なので首を刺す方の反対にし、ベッドの頭側を下げる)

消毒し、ドレープをかけて清潔野を確保する

エコーを見ながら本穿刺or試験穿刺を行う(静脈か確認するため)

以下本穿刺

シリンジに陰圧をかけながら穿刺。逆血みとめたら針を進めて内筒抜去

外筒からガイドワイヤー挿入

ガイドワイヤーを15cm進めたら外筒を抜去

これでガイドワイヤーのみが入っている状態。カテーテル(太いやつ)を入れたいので刺したところの皮膚をダイレーターで広げる

カテーテル挿入(ワイヤーはつかんでおく)

ワイヤー抜去

カテーテルにシリンジ装着し逆血確認し、ヘパリン生食で満たす

クランプor三方活栓で閉じておく

ハネで固定する

X線で位置確認

 

国試過去問

113B12

シリンジを用いた静脈採血について適切なものはどれか?

a.抜針してから駆血帯を外す

b.拍動を触れる部分を穿刺する

c.採血後すぐに針にキャップする

d.皮膚面に15~30度の角度で穿刺する

e.透析用動静脈シャントがある場合は同じ腕で行う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解.d

 

1,2,3類感染症+ワクチン定期接種のゴロ(下ネタ注意)

個人的には関連性が薄いものを覚えるには語呂が一番(それも下ネタ)と思っている。

なので、個人的にお気に入りの語呂を紹介する。

 

定期接種...日本の童貞BoyはHなポリスのケツ(Hip)にメロメロ陶酔

日本...日本脳炎 童貞...DPT(三種混合) Boy....B肝 は...肺炎球菌 Hな...HPV ポリス...ポリオ ケツ...結核 Hip...Hib メロメロ...MR(麻疹風疹)、ロタ 陶酔...水痘

ロタウイルスワクチンは2020年に追加された。

 

1類感染症...南米のクリをマエにペラペラと

南米...南米出血熱 クリ...クリミア・コンゴ出血熱 マ...マールブルグ病 エ...エボラ出血熱 ペ...ペスト ラ...ラッサ熱 と...痘瘡(天然痘)

 

2類感染症...ケツにインサートで痔になるMポリス

ケツ...結核 イン...鳥インフルエンザ サー...SARS 痔...ジフテリア M...MARS ポリ...ポリオ

 

3類感染症...赤いパチ○コ

赤...赤痢 パチ...パラチフス、腸チフス ○...O-157 コ...コレラ

 

 

 

1~5類感染症のまとめ

・区分けは何のために行ってるのか?

基本的に公的機関等の対応が必要な重篤な疾患に対して指定を行う。

 

1類感染症...

エボラ出血熱、ペスト、クリミア・コンゴ出血熱、マールブルグ病、ラッサ熱、

天然痘、南米出血熱

→要するに一番ヤバい感染症入院勧、消毒のほかに通行制限まで行える。

ペストによりヨーロッパで全人口の1/3が死亡したこともある。

 

2類感染症...

ポリオ、結核ジフテリアSARS、MERS、鳥インフルエンザ

→1類ほどではないが、ヤバい感染症。ポリオは後遺症として運動・球麻痺が生じることがある。

入院勧告、消毒などが行える。

1,2類は入院勧告が行え、かつ感染症指定医療機関で対応を行う。

 

3類感染症...

腸管出血性大腸菌感染症コレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフス

→1,2類と性格が異なり、特定の職業(赤痢以外は飲食店が多い)の就業により集団感染を起こしうる感染症

従って、就業制限を行うことができる。一般の医療機関で対応可。

 

4類感染症...

A、E型肝炎、ツツガムシ病、日本脳炎マラリア、レジオネラ、Q熱など

動物由来感染症。ダニや蚊が媒体となる。媒介動物の輸入規制や消毒などを行うことができる。

 

1~4類はすべて全数把握かつ即座に保健所を通して知事に届け出る。当然か

 

5類感染症...

アメーバ赤痢、A,E以外の肝炎、梅毒、破傷風、百日咳、水痘、風疹、麻疹等

全数把握のものと定点把握(各機関が届け出)のものに分かれている。

上に上げたものはすべて全数把握。基本的に重症なものが全数把握。

5類全数把握疾患については7日以内に知事に届け出る。

※例外として、5類でも侵襲性髄膜炎感染症、風疹、麻疹は直ちに届け出る。

5類については発生動向調査のみを行う。インフルの感染者数の発表はこれに基づいて行われる。

 

※その他に新型のインフルエンザにより重症化の恐れがあるときは

新型インフルエンザ等感染症に指定して対応を行う。

 

国試過去問

112A4

腸管出血性大腸菌感染症と診断された場合に正しいのはどれか。

a. 入院勧告の対象となる。

b. 届け出は1週間以内に行う。

c. 届け出先は市町村長である。

d. 医療費は全額公費負担となる。

e. 児童の場合は出席停止となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解.e

a,b...食中毒系の感染症より、3類感染症。従って入院勧告までは行わず、また届け出は即座に行う。

7日以内は5類の全数把握疾患(麻疹・風疹・髄膜炎感染症は除く)

c...届け出先は知事。市町村単位で発生する疾患ではない

d,e...ここが迷ったポイントかもしれない。就業制限を行うことができるということは、同じ職場、場所で集団感染が起こりうるということであり、その考え方に基づけば出席停止となる。

ちなみに、公費負担となるのは1,2類感染症新型インフルエンザ、新感染症である。

新型コロナはこれに基づき公費負担となっている

 

※公費負担となるとき

①社会的弱者の救済(生活保護など)

戦争への国家補償、健康被害の救済

難病,慢性疾患の治療研究と助成

④公衆衛生の向上(感染症措置入院)

がある。

 

これについてもう一問

108B12

公費医療の対象とならないのはどれか。

a.生活保護法による医療扶助

b.労働基準法による業務上疾病の治療

c.麻薬および向精神薬取締法による措置入院

d.精神保健および精神障害者福祉に関する法律による措置入院

e.感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律による結核患者の入院

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解:b

a...生活保護は全額公費負担。

c,d...措置入院は公費負担の対象。(無理矢理入院させて自己負担だったらなかなか理不尽かもしれない)

c,dは同じ性格のものだからa,eを消せばbは選びやすかったかもしれない。

e...結核は2類感染症より公費医療。

 

 

 

 

抗不整脈薬のまとめ

・基礎知識

機序によりⅠ~Ⅳ群に分けられる。

Ⅰ群...Naチャネル遮断薬

(Ⅰa...活動電位持続時間延長、Ⅰb....活動電位持続時間短縮、Ⅰc...活動電位持続時間不変)

※これらは要するにKチャネルを抑制するかどうかである。

抑制するならば延長、抑制しないならば短縮。

Ⅱ群...β遮断薬

Ⅲ群...Kチャネル遮断薬

Ⅳ群...Caチャネル遮断薬

 

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心室筋の活動電位波形に対するイオンの関与[1]

この図から、

Ⅰ群はNaチャネル抑制→脱分極時間(図の0)延長によりQRS時間延長

Ⅰa...Kチャネル抑制により再分極時間(図の2,3)延長

Ⅰb...Kチャネル抑制なしにより再分極時間短縮(脱分極電位の低下?)

Ⅰc...Kチャネル軽度抑制により再分極時間不変

※0の傾きがなだらかになるイメージ。(病みえに詳しく載ってある)

また、再分極時間に対応するのはQT間隔。(T波は再分極波)

従ってⅠaはQT延長。ⅠbはQT短縮。

同様に3群(Kチャネル遮断)もQT延長の副作用あり。

Ⅱ群(β遮断薬)...洞結節、房室結節抑制。(交感神経支配のため)

Ⅳ群(Ca拮抗薬の一部(ベラパミルなど))...房室結節、洞結節(Caチャネル依存)抑制により房室伝導抑制。(房室ブロック禁忌)

 

QT延長する薬剤はtorsades de pointes(TdP)が副作用となる。(致死的)

TdPを来す他の原因としては、

抗菌薬(マクロライドニューキノロン)

電解質異常(低K、低Ca、低Mg)

高度な徐脈などである。

 

・抗不整脈薬の適応(国家試験レベル)

これらの知識を踏まえると、Ⅱ、Ⅳ群はそもそも上室性にしか効かない。

Ⅰb群は効き目が弱いイメージで、心室筋にしか働かず心室にのみ有効。

Ⅰa、Ⅰcはどちらにも有効。

Ⅲ(アミオダロンなど)は第二選択的に用いるらしい。

 

 

引用:[1]

www.wikiwand.com