医学生の勉強日記

医師国家試験勉強で得た知識のまとめです。たまに研修医レベルのまとめもする予定です。

抗不整脈薬のまとめ

・基礎知識

機序によりⅠ~Ⅳ群に分けられる。

Ⅰ群...Naチャネル遮断薬

(Ⅰa...活動電位持続時間延長、Ⅰb....活動電位持続時間短縮、Ⅰc...活動電位持続時間不変)

※これらは要するにKチャネルを抑制するかどうかである。

抑制するならば延長、抑制しないならば短縮。

Ⅱ群...β遮断薬

Ⅲ群...Kチャネル遮断薬

Ⅳ群...Caチャネル遮断薬

 

f:id:R72421639:20220414175605g:plain

心室筋の活動電位波形に対するイオンの関与[1]

この図から、

Ⅰ群はNaチャネル抑制→脱分極時間(図の0)延長によりQRS時間延長

Ⅰa...Kチャネル抑制により再分極時間(図の2,3)延長

Ⅰb...Kチャネル抑制なしにより再分極時間短縮(脱分極電位の低下?)

Ⅰc...Kチャネル軽度抑制により再分極時間不変

※0の傾きがなだらかになるイメージ。(病みえに詳しく載ってある)

また、再分極時間に対応するのはQT間隔。(T波は再分極波)

従ってⅠaはQT延長。ⅠbはQT短縮。

同様に3群(Kチャネル遮断)もQT延長の副作用あり。

Ⅱ群(β遮断薬)...洞結節、房室結節抑制。(交感神経支配のため)

Ⅳ群(Ca拮抗薬の一部(ベラパミルなど))...房室結節、洞結節(Caチャネル依存)抑制により房室伝導抑制。(房室ブロック禁忌)

 

QT延長する薬剤はtorsades de pointes(TdP)が副作用となる。(致死的)

TdPを来す他の原因としては、

抗菌薬(マクロライドニューキノロン)

電解質異常(低K、低Ca、低Mg)

高度な徐脈などである。

 

・抗不整脈薬の適応(国家試験レベル)

これらの知識を踏まえると、Ⅱ、Ⅳ群はそもそも上室性にしか効かない。

Ⅰb群は効き目が弱いイメージで、心室筋にしか働かず心室にのみ有効。

Ⅰa、Ⅰcはどちらにも有効。

Ⅲ(アミオダロンなど)は第二選択的に用いるらしい。

 

 

引用:[1]

www.wikiwand.com