抗不整脈薬のまとめ
・基礎知識
機序によりⅠ~Ⅳ群に分けられる。
Ⅰ群...Naチャネル遮断薬
(Ⅰa...活動電位持続時間延長、Ⅰb....活動電位持続時間短縮、Ⅰc...活動電位持続時間不変)
※これらは要するにKチャネルを抑制するかどうかである。
抑制するならば延長、抑制しないならば短縮。
Ⅱ群...β遮断薬
Ⅲ群...Kチャネル遮断薬
Ⅳ群...Caチャネル遮断薬
この図から、
Ⅰ群はNaチャネル抑制→脱分極時間(図の0)延長によりQRS時間延長
Ⅰa...Kチャネル抑制により再分極時間(図の2,3)延長
Ⅰb...Kチャネル抑制なしにより再分極時間短縮(脱分極電位の低下?)
Ⅰc...Kチャネル軽度抑制により再分極時間不変
※0の傾きがなだらかになるイメージ。(病みえに詳しく載ってある)
また、再分極時間に対応するのはQT間隔。(T波は再分極波)
従ってⅠaはQT延長。ⅠbはQT短縮。
同様に3群(Kチャネル遮断)もQT延長の副作用あり。
Ⅱ群(β遮断薬)...洞結節、房室結節抑制。(交感神経支配のため)
Ⅳ群(Ca拮抗薬の一部(ベラパミルなど))...房室結節、洞結節(Caチャネル依存)抑制により房室伝導抑制。(房室ブロック禁忌)
QT延長する薬剤はtorsades de pointes(TdP)が副作用となる。(致死的)
※TdPを来す他の原因としては、
電解質異常(低K、低Ca、低Mg)
高度な徐脈などである。
・抗不整脈薬の適応(国家試験レベル)
これらの知識を踏まえると、Ⅱ、Ⅳ群はそもそも上室性にしか効かない。
Ⅰb群は効き目が弱いイメージで、心室筋にしか働かず心室性にのみ有効。
Ⅰa、Ⅰcはどちらにも有効。
Ⅲ(アミオダロンなど)は第二選択的に用いるらしい。
引用:[1]